大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第一小法廷 昭和37(し)35 決定

主 文

本件特別抗告を棄却する。

理 由

本件特別抗告の理由は末尾添付の書面記載のとおりである。

所論は、弁護人の異議申立を棄却した原決定が憲法一四条、三二条に違反すると

主張するが、その実質は、結局控訴趣意書差出最終日の通知に関する単なる刑訴法

又は刑訴規則違背の主張に帰着し、刑訴四三三条、四〇五条所定の事由にあたらな

い。〔被告人Aに対する詐欺、道路交通法違反被告事件の記録によると、広島高等

裁判所は昭和三七年五月二一日に控訴趣意書差出最終日を同年六月二一日と指定し

て、その旨の通知書を被告人に対して発送し、右書面は同年五月二二日被告人に送

達されたところ、同日被告人と弁護人中田義正の連署にかかる弁護人選任届が同裁

判所に提出されたが、右弁護人に対しては右控訴趣意書差出最終日の通知がなされ

なかつたこと所論のとおりである。しかし、刑訴規則二三六条の法意は、控訴趣意

書差出最終日の通知は右最終日の指定後に弁護人選任届の提出された弁護人に対し

てはこれをすることを要しない趣旨と解すべきであり(昭和二五年(あ)第二七七

七号同二七年五月六日第三小法廷判決、刑集六巻五号七三三頁参照)、この理は、

被告人に対する右最終日通知書の発送後その到達前に弁護人選任届が裁判所に提出

された場合においてもなんら異なるところがないから、原審が弁護人中田義正に対

して右最終日の通知をしなかつた措置に違法の点はなく、これを是認した原決定の

判断は正当であつて、所論は採用しえない。〕

よつて刑訴四三四条、四二六条一項により、裁判官全員一致の意見で、主文のと

おり決定する。

昭和三七年九月二七日

最高裁判所第一小法廷

- 1 -

裁判長裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 下 飯 坂 潤 夫

裁判官 高 木 常 七

裁判官 斎 藤 朔 郎

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!